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「死者からの眼差し」の短冊について

  • RIKA TAKAHASHI
  • 1月10日
  • 読了時間: 2分

足利市の芸術祭「足利アートランブル2025」で展示した「Family History~死者からの眼差し~」では、展示会場である古民家にかつて住んでいた女性をイメージして作った短冊がとして目隠しをされた遺影を掲げる子供の像と一緒に展示されている。これは、作者が無謀な先の戦争について彼女たちは一体どういう気持ちでいたのだろうか、彼女が今の日本の状況を見てどう思うか、彼女たちと対話してみたい、という思いから発想したものだ。また、制作にあたりインタビューした酒店のご主人が御年丁度80歳、終戦の年生まれなのだ。彼の言葉の中にも「自分は何も覚えていなかったけれど、母は大変だったと思う。」とあり、そこからも

制作のヒントを得た。

死者の言葉、ということで印刷はごく薄いグレーの文字で、立ち止まってよく読まないと何が書いてあるのか、分からないようにしてある。そこで、今一度短冊に書いた言葉の全文をここに書いておこうと思う。


今から八十年前

   戦争に負けました

 あなたが産まれる前のこと


戦争が始まったのは

     もっと前のこと

はっきりとは覚えていないのだけど


どこかの国での

     戦さの知らせは

 遠くのできごとに思えていたの


本当は 知っていたの

  ただ見たくないものに

   目をつぶっていただけ


気づいた時には 遅かった

 誰にも 止められなかったの


普通の日々が

  少しづつ 少しづつ

 息苦しく なっていたのに


こんな未来を 選んだ

     つもりはなかったの


ただ その日その日を

  一生懸命に

      生きていただけ


みんな気づいていなかった

  ほら すぐそこまで

        来ているわ


それは目を開けたまま

   見ている夢のようだった


振り返ってみてごらんなさい

  あなたの 後ろに

    ほら もうそこまで


気づかないふりをしても

  あなたの 後ろに

        来ているわ





 
 
 

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